ふぉ〜ゆ〜の宝を愛でるブログ

胸の中のアクセルを踏み込んで

タイヨウのうた〜midnight sun〜

ふぉ~ゆ~主演以外での松崎くん初出演外部舞台「タイヨウのうた~midnight sun~」の感想。

 

まず、初日。カーテンコールスペシャトークなるものがあって。よくあるやつだけどあんまりジャニーズがやらないことの一つかな。超高まるじゃないですか!なんとなく初日と千穐楽はカテコで長くおしゃべりするのありがちだけど、ちゃんと「初日はやるよー」って公式に言ってくれるのいいなと思った。

辰巳、柏木ひなたちゃん、松崎くん、丈くんの4人が、稽古の話や役について少し喋ったというようなもので、時間にしてせいぜい10分くらいかな。でも松崎くんが随所で(恐らく意図せずに)ずれた発言をしては辰巳に雑にあしらわれていて、それがひなたちゃんや高嶋菜七ちゃんのファンと思われる男性陣からも笑ってもらえてたのはうれしかった。

見事に初日のチケットを当てたわたしの名義よくやった。席については贅沢言わない。zeppまで運をためておいてほしい。

 

まず初めに、映画もドラマも見ないで舞台から入った「タイヨウのうた」ビギナーなので、色々とわかってないし超基礎的なことに言及するかもしれないけど、自分のための備忘録でもあるのでご容赦いただきたい。

ちょっと厳しいことも書きたくなっちゃったから、公開するのは公演終わるまで待ってました。

 

雑感。

子役の子がとんでもないかわいさだった。そして歌が上手い。あんなに小さい女の子なのに、儚げな感じもあって素晴らしかった。

「この服、わたしに合うかしら。ぶかぶかで暑苦しくて重たいの」ってこんなかわいい子に言われて、「似合ってるわよ」と言うしかなかったシゲさんの心境を思うと苦しい。

薫のお父さんが海外ツアー回るレベルのオペラ歌手って設定。三戸さんがやってるから間違いない。薫の歌唱力には遺伝的影響が。

辰巳演じる孝治も、お父さんがハワイでプロサーファーやってる。二人とも世襲してる。

薫役の柏木ひなたちゃんについては、とにかく髪がとんでもない美しさ。あの長さの髪の毛をあの美しさで保つのってどうするんだ…。やっぱり日光を徹底的に避けたことで髪が日焼けせずあのキューティクルになっているのか…。

そして縁のときの彩といい今回の美咲といい、松崎くんが日サロで海の男系な役柄を演じるとポニーテールハツラツ系女子に恋する法則!ポニーテールハツラツ系女子目指そうかな(安易)

結構積極的に肩組んだり手つないだりしていて、東京パフォーマンスドール界隈の方から「なんだあのでかい男!三十路超えてるじゃないか!菜七ちゃんに触るな!」的に思われないだろうか…と心配していたのだけど結構皆様松崎くんの天然を暖かな拍手と笑い声で受け入れてくれててよかった…。

松崎くんの髪型、辰巳にカテコでいじられて「切れそうだろ~」(多分カッター的な、刃物みたいということを言いたいんだと思う)ってちょっと意味わかんないこと言ってたけど、スッキリして色味も暗くなっててよかったよ!わたしは松崎くんの暗めの短髪が大好物です。

髪型のせいだけじゃなくて、ステージに姿が見えた瞬間から完璧に大西雄太で、サーフィン部だけどお笑いもやりたくて、孝治に口うるさいこと言われると反抗したくなっちゃうふつうの高校生の男の子で、10日前に名古屋にいたあのほわほわでにこにこでかわいいかわいい辻の面影は1mmもなかった。ステージに立つ役者として当たり前かもしれないけど、素晴らしいなと思って感動した。

加藤よしき役の藤原丈一郎くんも、とてもかわいくて無邪気で、すべりまくっておもしろくない漫才やってても楽しそうで青春を感じた。

狂った果実の公園でのストリート漫才があって県大会直前に部活途中抜けして孝治に怒られた雄太が「俺たちにはサーフィン以外にもやりたいことがあるんだよ!」って言うの、めっちゃ年中無休の保坂みたいなこと言ってるなと思った。まぁ雄太は高校生だからね、そういういきがったこと言いたい年頃だよね(甘い)。でも、丈一郎くんは本当に若いからよしきはリアル高校生だったけど、松崎くんの雄太はやや高校生厳しかった…ような(小声)

 

内容について。

映画もドラマも見てないもんだから、話が少しわかりにくかったな~という感想。これはみんなベースのストーリーはわかってる前提で作られた作品なのかな…映画やドラマ見て予習しなかったわたしが悪いです、すみません。。

1幕はまだ薫も発症していないし話も重くないからそんなに気になるところもなく。

サーフィン部の話や、熱血漢なのにちょっと親に反抗してちゃらんぽらんなところもある孝治、漫才やってる狂った果実(雄太とよしき)、歌ってる薫とそれを支える美咲、シゲさんとお父さん、桜庭先生、それぞれのキャラクター紹介的な1幕。

薫がXPだってことを知らずに孝治が海に連れ出しちゃって、日の出を迎えるところで1幕が終わる。ここの薫の焦り、孝治が薫の病気を知らずに混乱するところはすごく繊細に描かれていたと思う。

「門限破っちゃってごめんなさい!」って薫のお父さんに謝るけど謝ってる内容が見当違いなところとかは、すごいよかった。薫も「家がちょっと…厳しくて」って病気のこと隠していたし、孝治も見せたいものが朝日だってことは言わないし、病気がこれほど深刻でなければありがちなミスコミュニケーションだよね…。

だからこそ、そんな当たり前のミスコミュニケーションが命取りになりかねないっていう深刻さに絶望する。1幕の終わり方としてすごくよかった。

門限くらいならいいか~って高校生同士で外にいるやつ、みんなやるよね?海とか公園とかで夜中までだらだらお喋りとかしがち。少なくとも10年くらい前、わたしの周りはそんな感じだった。

地元民的なミクロの視点では、地元の人はあんまり「湘南」って言わないんだよ…ってことが気になった。あと、薫幼少期のXPが判明するシーンで「七里ヶ浜の海水浴場で…」的なことをシゲさん言ってたけど七里ヶ浜は流れが速くて遠浅ではないので遊泳禁止で海水浴場はありません。

昔のことは知らないけど、少なくともわたしの記憶のある限り、七里ガ浜には海水浴場はないはず。波打ち際でぱちゃぱちゃくらいはできるけど、小さい子供が行くのはちょっと危ない海。

サーフィンはできるけどね。逆に波が立ってサーフィンにはいいスポット。

七里ヶ浜七里ヶ浜高校(地元では七高って呼ばれてる。二高とちょっと通じる部分も…)あたりがモデルなのかなー。坂に住宅街があるのも似てる。それか、江ノ島の西側の辻堂とかそっちのほう。

 

1幕がシリアスな感じで終わって、2幕になるともう狂った果実は出番少ないかもなー、病気についての表現が多くなるなら孝治と薫のお芝居が中心になるのもわかる…って覚悟していたのに思わぬ使われ方をしていた。

ストーリーと、孝治と美咲が暗くなりすぎないように明るい要素を入れるアクセントなんだろうけど、重苦しいところは重苦しい空気にしてもいいんじゃないかなーと思った。これはわたしの好みだけど、2時間30分の公演時間、10分や15分しっかり重たい空気になる時間があってもいいと思うんだよ。結構しっとりしたなーと思うところで無理に空気を明るくするために雄太が動かされている感があった。

孝治が家の前で待ち伏せしてシゲさんに謝ろうとして、「あの…っ僕、あの、本っ当にすみませんでした!あの、ゆ、あ…知ら、いえ、あの…」って色々言いたいことあふれて言葉にならないところ、許しを請いたい気持ちと許されないという自責の念と、言い訳しそうになって抑え込んだりが入り混じって結果謝罪の言葉しか出てこない感情の吐露は秀逸だった。

そこに防護服を着た「ありのまま」の姿で出てくる薫もいいし、ここのお芝居と演出はとっても良かった。素晴らしかった。

そのあと、「もう二度と孝治さんには会わないから!」って部屋に引きこもってしまった薫に元気になってほしいパパが孝治のところに来て、「娘を元気づけてあげてほしい。君にその気があるなら俺に本気を見せてみろ」って言うのも、頼んでんだか許してんだかどっちなんだって感じではあるけどまぁわからないではない。

でも、それで台風の日の海、台風の日のビッグウェーブに乗るっていうのは絶対間違ってる。

まず、台風の日は絶対に海に入ってはいけません!孝治のお母さんが「たとえ孝治が土左衛門になっても、台風の日に海に入るなんてダメだ、その処理にもお金がかかるんだと言うのがわたしの仕事です!」って言って冷血漢のような扱いを受けていたけど、お母さんの言うことが正しい、絶対。

数年に一度レベルの台風の日に海に入ってサーフィンするなんて本気で死にに行くようなものだし、ちょっと信じられない。命がけで病気と闘ってる薫との付き合いを正式に認めてもらうための本気の表明としてそぐわないと思うけどそのあたりの認識はどうなんだ。

本気でサーフィンやってるならサーフィン部の仲間も真剣に止めなきゃいけないよ…台風が沖縄あたりにいる頃にいい波ができてサーフィンするのはあると思うけど(それも危険)、上陸して大雨で風もすごくてってときはもう絶対に海に出ちゃいけない。波の様子を見に海岸行った人が流されて死ぬレベルです。板抱えて海に入るとか何考えてんだって話です。

あと、難しいのはわかるけど一番大事なサーフィンのシーンが映像で、しかも静止画。まぁ辰巳がサーフィンできるかどうかは知らないけどめっちゃ雑な合成画像で、笑ってはいけない、って感じだった。

しかもそんなシリアスな(という意図で作ってるという前提で)シーンを狂った果実がショー的に実況しているのも違和感が。櫓的な高いところから波に乗る孝治を双眼鏡で見て「来ましたよ、乗りますよ~!見てくださいっ!」って必死なんだけど、そうじゃないよね?って思ってしまう。一昔前の台風中継みたいな。カメラの前で雨風の強いところに立って「すごい雨です…目が開けられません!」ってやるのを見せられている気がしてしまった。

頭が悪いから双眼鏡覗き込んでる雄太を双眼鏡で見て目があった気分を味わった(笑)

 

付き合いを認めてもらって、孝治が薫のマネージャー的なことをするようになって。2人で夜のライブの準備をしたり、孝治がキャンドルを薫にプレゼントするのがとってもかわいかった。薫にXPの症状が出始めている時で、手が動かなくなってもらったキャンドルをすぐ落としちゃっても、「あぁ、これなら大丈夫。直しておくね」って一切責める気配なく言ったところ、ものすごい優しくて素敵だった。うっかり惚れそうになった。

2人で薫の作った歌を歌うところの、薫のノート見ながらの「いい曲だね」「楽譜読めるの?」「俺は耳で覚えるタイプだから!」って会話がすごくよかった。

音を探しながら歌う孝治がことあるごとに薫の顔を見て目を合わせて、ひたすら薫に優しい孝治が素敵。

 

薫の家から帰る孝治を待ち伏せて二人のキスシーン見てわぁわぁ言う狂った果実がかわいかった。2人が見ているのに気付いた孝治と薫にからかわれて「美咲最近モテてるよねぇ!」「付きまとわれて大変みたいよ、耳が大きくてうるさくて…話しかけられて口が臭くて吐いたって」「わーーー!!それは俺じゃない!!」って焦る雄太とてもキュートだった。

そんな楽しい感じだったのに、突然薫が発症して倒れて病院に。倒れた薫を当たり前のようにお姫様抱っこで運ぶ孝治がかっこよくて、それどころじゃないのだけどきゅんとしてしまった。ひなたちゃん、結構大きい子なのに軽々と運ぶ辰巳かっこよすぎて恋した。

 

薫が病院に運ばれて、孝治は一人になって顔を覆うんだけど、そこに薫が来て「いっぱい泣いた。歌った」って2人が話すシーンがすごく好き。薫の表情に発症を恐れて怯えていたのがなくなって、すっきりしたというか、開き直ったような清々しさがあった。で、薫は孝治に「わたしを一人にしないで」って言う。孝治も「当たり前だろ」って答える。

秀逸だったのが、薫が退院して自宅療養していて、桜庭先生が往診に来るシーン。立とうとして床に転びながら「いつもは普通に歩けるんです!ねぇ孝治!わたしいつもはもっと普通に歩けるよね!?」って訴えるのがすごく胸に迫るお芝居だった。

そんな薫を目の前にしても「うん、そうだね。手貸して?」って抱きかかえてベッドに寝かせる孝治がすごく大人になってた。薫との出会い・付き合いを通して孝治がめきめき大人になっていくのを感じた。

 

薫のライブが決まって、体調を崩して何回か延期になったけど、奇跡的に回復してライブができることになる。高校卒業の春先。

素敵な曲で、孝治とのデュエットもあって、ライブはすごく穏やかで優しくて楽しい感じ。風船持って出てきたり、軽く踊ったりしてすごく穏やか。

ここでダンスする雄太が確実にサーフィン部じゃなくてダンス部だろっていう美しいステップを踏む。しかも微笑んで薫を見てるのに綺麗にダンスする。

薫が遮光服を着て歌うんだけど、「この服に守られて生きてきました。これなしでは生きられなかった。でもそれももう終わりです」って意味深なことを言う。

 

薫と孝治の結婚式、司会(?)を任されて緊張している雄太はとてもかわいかった。

で、なぜか日光降り注ぐ教会で式を挙げていて、XPはどうなったんだ!?と思う。治ることはなさそうだから、初見のときは孝治と一緒にハワイに行って残り僅かな余生を過ごすのかなと思った。

でも2回目に見たら、2人で海に向かうような描写が心中を連想させたりもして、結婚しますっていう幸せな笑顔を見せながら2人で死ぬんだろうか、周りの人たちみんなにあんなに受け入れられてそんなこと成立するのか?とかいろいろ考えて訳がわからなくて混乱してしまった。

やたらと「これからは孝治に守ってもらう」「わたしがいなくなっても、桜庭先生と幸せになってね」って遺言じみたことを繰り返すから、一度この2人は心中するんじゃないかと思い始めるとそういう気がする。

結婚式のシーンで、薫と向き合って、「薫を治したくて医者を目指したのに間に合わなくてごめん」「間に合ったよ、だって孝治と出会えたから」って話で感極まった美咲が当たり前のように雄太の隣に戻ってくるの、ただ隣に立っているんじゃなくて、2人の信頼関係と心の距離の近さを感じられて胸キュン。というか、間に合ってないよね?病気のことと孝治に出会えて幸せなのはベクトルが別では。

初見と2回目で混乱したのが、ここのやり取りに端を発している気がしていて。

薫がXPという難病と闘っていることと、それでも孝治と出会って前を向いて生きているというのは、2本の軸だと思っていたんだけど最後の最後でそこがごちゃまぜになっていた。「薫の病気は治らなかった」という悲劇があって【それでも】「孝治と一緒に前を向いて最期まで明るく生きました」だと思って観ていて、そこの健気さと強さに感動があるのだと思うんだけど、「薫の病気は治らなかった」【それはともかく】「孝治と出会えたから幸せ」だと現実逃避な気がする。

現実逃避的に、2人で心中して苦しみのない世界、遮光服がいらない世界に行くんだ、という話なのかな。初見のときは2人で最後の時間をハワイで過ごすという終末医療的な話かとも思ったんだけど、もう治らないとはいえ日光を浴びたら火傷するのは変わらないだろうし、遮光服のいらない世界には行けないはずなんだよね…。

あるいはもう完全に薫は死んでしまって、夢(というか幻想)での結婚式なのか。この可能性もあるかな、と思った。「これからは孝治に守ってもらう」って意味がわからないけど。孝治も死ぬんかいな、っていう。

 

最後に、雄太と美咲とよしきが3人で、Youtubeにupされた薫の曲を聴くシーンも、この時点で薫はもう亡くなっていて、二度と聞けない薫の歌がYoutubeで世界中の人が聞けるようになっている!っていう話だと思うんだけど、当たり前に孝治もいなくて、孝治にも二度と会えないみたいな空気感があって、正解はわからないけど孝治も死んだのかな?と。

大学生になって、デート(?)している雄太と美咲には普通に時間が流れていて、でも孝治と薫の時間はあの歌を歌ったライブの時点で止まってる。

 

予習しなかった自分が悪いんだけど、内容がすんなり入ってくるものではなくて、結末もこれ!というものがあるわけではなくて。

大阪公演に行けてないから最終的にどんな形になるかわかってないけど、これは全部映像だったらもう少しわかりやすかったのかな?と思ったり舞台化の難しさみたいなのを感じた作品だった。

それぞれのお芝居はとてもすばらしくて、ひなたちゃんは歌も上手いし顔も可愛くて髪の毛も綺麗だし、菜七ちゃんは溌剌とした頭のいい女の子がすごくぴったりで、辰巳のお芝居もとてもとても丁寧で、松崎くんも高校生らしさを繊細に演じていたと思うんだけど。丈一郎くんの若さ、脇を固めるシゲさん、謙さん、桜庭先生は言うまでもなくだったんだけど。

ストーリーが、とか原作が、とかそういうんじゃないけど、舞台化するのが難しい作品だったかな、というのがわたしの感想です。